多汗症とは

多汗症とは精神性発汗により、おこる汗の異常と言えます。精神性発汗というのは緊張したときに出る汗という意味ですので気のせいとか気が弱いとか、心の病ということではありません。生理的に、必要以上の汗をかくのが多汗症です。この病気は原因がはっきりわかっていません。

多汗症の症状

症状はさまざまで、手足が汗で湿っている、という程度から汗が滴り落ちるのが止まらない、という人までいます。程度の重い人は仕事に差し支えが出ることもあります。人目が気になったり、見た目では病気だと気づかれないために悩みが多いそうです。

いつも手足が湿っている(濡れている)ことからあかぎれ,湿疹,水泡,皮膚が剥けるなどに悩まされることがあります。また、のどの渇き,尿の量が少ないという症状もあります。

手掌足蹠多汗症とは

手のひらと足の裏だけに大量の汗をかくのが「手掌足蹠多汗症」。しゅしょうそくせきたかんしょう と読みます。正式名称は「特発性手掌足蹠多汗症」です。手掌足蹠多汗症の人は一般の人より交感神経の反応が強いようです。

多汗症の診断

現在多汗症の治療を専門に行っている科がないので、ペインクリニック科、麻酔科、血管外科、呼吸器外科(一部)のうちいずれかを選ぶことになります。

多汗症の手術

最近大変有効とされている手術が胸腔鏡下交感神経切除術です。

手のひらの汗を司っているのが第2第3胸部交感神経節。直径7mmほどの交感神経の所々の太くなった部分を「交感神経節」とよんでいます。脳はここから分かれた各交感神経に「汗を出せ」という命令を出します。胸腔鏡下交感神経切除術は、この交感神経節を切断する手術。このことによって汗を止めることができるのです。

多汗症の手術に向いていない人

胸腔鏡下交感神経切除術では肺に切除鏡を入れるため、肺の手術や病気を経験した人はこの手術に向いていないケースがあります。必ず医師に告知してください。

交感神経節上に血管がある人もこの手術に向いていませんがこれは、手術を始めてみないとわからないものです。

また交感神経節を介さない独立した交感神経(=バイパス)がある場合、交感神経節を切っても効果がない、ということになってしまいます。このバイパスは隠れている場合があるので手術中に見つけられないこともあります。

多汗症の手術の成功率

関東のある病院では98%の人の汗を止めることができましたが残りの2%は上で述べたような理由で汗を止めることができませんでした。

多汗症の手術の安全性

胸腔鏡下交感神経切除術は大変安全で命に関わるようなことはまずありませんが、まったく何のリスクも無い訳ではありません。ごくまれに次のようなケースが起こることもあります。

■肺に傷がついてしまう場合
■出血が多い場合
■手術の際の感染 
※以上の3つは適切な処理により重篤になる恐れはまずありません

■全身麻酔による事故
※10万人に1件の割合で事故が起こっています

多汗症の手術の副作用

胸腔鏡下交感神経切除術を行ったあと、手のひらにかいていた汗を止めたかわりに他のところに汗をかくようになります。これを「代償性発汗」といい、長期的な副作用といえます。胸から上の汗が止まって、それより下の汗が増えるのです。

カレーを食べたときに汗をかくのは普通ですが、手術後、チョコレートや梅干しの刺激でも汗をかく人もいます。「味覚性発汗」といい、これも副作用と言えます。

一度切った交感神経は元には戻せません。「代償性発汗」はずっと続きますので、現状を我慢するのか「代償性発汗」を我慢するのか、どちらかを選ぶことになります。

注意:このサイトでは多汗症の代表的な手術として「胸腔鏡下交感神経切除術」を「多汗症の手術」として紹介していますが、他の治療法もご検討くださるようお願いします。

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多汗症の原因

多汗症とは


 ○汗の出るしくみ、メカニズム


 

多汗症の治療

多汗症の診断と治療


 ○心理療法や薬物療法の効果


 

多汗症の手術

多汗症の手術の安全性


 
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